マンションリノベーション⑦(給水設備について)

こんにちは
今回はマンションの給水設備についてお話します。

マンション全体の給水方式
大きく3つに分かれます。

高置水槽方式
1990年ごろまでのマンションで盛んに使われた給水方式です。
地上の受水槽にためた水道水を揚水ポンプで屋上に設置された高置水槽まで揚水し、各住戸に自然落下で給水する方式です。
停電時でも一定時間の断水が避けられますが、メンテナンスの手間と水質維持の問題、耐震性の問題などで、現在はほとんど採用されなくなりました。

ポンプ圧送方式
地上に置いた受水槽から複数の圧力ポンプを制御して加圧して給水する方式です。
停電時は断水します。また、地上の受水槽のメンテナンスが必要です。

直結増圧方式
水道本管からの水道水をブースターポンプ(増圧ポンプ)で増圧して給水する方式です。
受水槽が不要ですので、水質汚染が起こりづらく、維持費も少なく済みます。
超高層マンションにも採用されており、共用部分の大規模修繕でも高置水槽方式から直結増圧方式に変更するケースもあります。

高層階の給水圧力が不足している場合がありますので、リノベーションでは水圧の確認が必要です。

専有部分の給水
こちらは2タイプに分類されます。

先分岐方式
水道メーターや給湯器から太い管径の主管を配管し、途中でそれぞれの水栓に細い管径で分岐して給水する方式です。


さや管ヘッダー方式
さや+管+ヘッダーの3つの単語が複合された用語です。
メーターや給湯器から供給された水や湯を筒状のヘッダーが受水し、ヘッダーからたこ足状に分岐した管でそれぞれの水栓に給水給湯します。
管とヘッダーがナットなどの着脱可能な継手で接合されており、配管材料の交換が容易です。

給水で気をつけることは給水圧力です。
給水圧力が低いとシャワーが快適に使えない、ガス瞬間湯沸かし器が着火しない、タンクレストイレが使用できない等の支障が発生します。
圧力が足りない場合は、増圧装置を取り付けて増圧することがあります。
給水圧力が高い場合もウォーターハンマー現象などの不具合が発生する場合があります。
※ウォーターハンマー現象
水撃作用ともいい、急激に水栓を閉じると圧力の高まった配管内の水が行き場をなくし、配管に激突して「ガンガン」「カーン」という衝撃音を発生させる。
音が不快な他、配管材料や継手の劣化や漏水を引き起こすことがある。

給水管の種類
古くは亜鉛メッキ鋼管が使用されており、
赤水(錆が混ざった水)の発生や次第に管径がつまり、水がチョロチョロとしか出なくなる現象が多くありました。

最近は塩化ビニル管が採用され、
腐食の問題はなくなりました。
安価で施工性も高く、今日まで広く使われています。

さや管ヘッダー方式ではポリエチレン管、ポリブデン管が採用され
耐食性、耐久性、耐熱性、耐震性に優れています。

弊社でご紹介する物件は
配管から交換したフルリノベーション物件がほとんどです。
配管などの見えない部分についても
お気軽にご質問ください。

※この記事は横浜マンションナビからの転記です
(不動産コラムをこちらのサイトに移行しています)